「50歳からの…」というタイトルにつられて、また本を買ってしまいました。
「アディポネクチン」=「長寿ホルモン」?
この本で頻繁に出てくるのが「アディポネクチン」ですが「ホンマでっか!?TV」に出てきそうな物質です。
要するに、この本で「アディポネクチン」は
- 脂肪細胞から分泌される「長寿ホルモン」
- 様々な病気の予防と改善につながる働きがある
- 脂肪細胞の肥大化(肥満)により分泌が減る
と説明されており、これらが本当なら分かりやすい話です。
つまり「肥満が生活習慣病を引き起こす」といわれても、正直、ちょっとぐらい太っても年相応でいいんじゃない、と思っていました。
ところが、病気の予防と改善につながるホルモンの分泌が肥満と反比例して減るのなら、年相応なんて言っている場合ではありません。
もしこの「長寿ホルモン」の話が本当なら、毎年の健康診断で血中のアディポネクチン濃度を測定して欲しいと思うのですが、どうなんでしょう?
ネット検索したら 3,700円で血液検査してくれるところはあるようです。
示唆に富んだ提言がズラリ
「アディポネクチン」については話半分にしても、この本にはいくつも示唆に富んだ提言が多くて感心しました。
「いつ死んだっていいんだ」という無頼派に限って、そうはいかないのが現実なのです。
これは痛烈です。もちろん、好きなように飲んで食って太っても、健康に長生きできる人はいるでしょう。逆に節制していても病に倒れる人もいます。
でも「ラクな死に方は簡単ではない」という著者の指摘は鋭いです。
また「職場あるある」の指摘がありました。
会社の健康診断の結果が届けられると、同僚と見比べては一喜一憂する人がいますが意味のないことです。血のつながっていない同僚とは、そもそも体質が違うからです。
見比べるべきは、あなたの身内の特徴と、あなた自身の値の推移です。
「変化を知ることが大事」という当然のことをうまく紹介してくれています。
私は 40代で徐々に 10kg ほど太ってしまいましたが、かぜ以外に治療が必要な病気にならなかったため、太っても切実な問題には思えませんでした。
特に身長が 181cm あるので 81kg でも BMI は 24.6 で「普通」の範囲内(18.5-25未満)だから「まあいいか」と放置していたのです。
でも、気にするべきなのは標準値との比較よりも、体重が徐々に増えてきたという推移なのです。それに 50代のはじめに気付けて良かったです。
もし 50歳を過ぎても体重増の傾向に歯止めがかけられなければ、治療が必要な病気になる危険性はどんどん高まっていったのは間違いないでしょう。
幸い、独立後に考えを変え、生活習慣を大きく改めたこともあり、現在、体重は 64kg 前後で安定しており、BMI は 19.54 です。
今度は「普通」の下限近くですが、体調は快適そのものなので、この体重前後でキープしていくつもりです。
あなたの本当の「基礎体重」は?
そんな体重について面白かったのは
いま、いわゆる標準体重であっても、若い頃より増えていたら、その分、脂肪体重が増えている肥満です。5kg以上増えていたら要注意です。
という指摘です。
まあ、若い頃から太っていた人はどうなのか、という疑問もありますが、私は20歳の頃は、確か 60kg 前後だったと記憶しています。
とにかくガリガリで、あの状態がいいとも思えませんが、それでも、その当時と比べて 20kg 増はマズいというのは理解できます。
個人的には現在、50歳から生活習慣をうまく改善でき、体調もすこぶるいいと感じているので、しばらくはこの調子でいきたいです。
今後、年齢と共にさらに基礎代謝が落ちてくるはずなので、各種数字の推移などをみながら微調整を加えていくつもりです。
2014年1月発行の本なのに、なぜだかアマゾンでは中古品しかありませんが、楽天ブックスには在庫はあるようです。
565円と値段も安いので 50歳前後の「お年頃」で、太り気味が気になる人には一読の価値はあると思います。
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